台湾・十分の魅力
いろいろ楽しめる観光地「十分」
願い事を書いた大きな天燈ランタンを、空高く上げることのできる、台湾「十分」という観光地を知っていますか?
それはそれは面白楽しい観光地♪
ランタン上げのできる「十分駅」は、平渓線というローカル路線の小さな駅で、線路の上を歩くことも可能。(危険なので禁止エリアには入らないこと!)
近くには、「台湾煤鉱博物館」という炭鉱跡もあり、鉄道マニア、廃線マニアにもおすすめの観光地でもあります。
台湾のナイアガラと称される「十分瀑布」にも歩いて行けるし、観光客が絶えません。
最近は、テレビでH.I.S.が台湾ランタン上げツアーの宣伝をしていたこともあり、日本でもだいぶメジャーな観光地になってきました。ガイドブックにも大抵載っているしね。
この冬、3度目の「十分」に行ってきました
台湾の「十分」には、3回行ったことがあります。
1回目に「十分」に行ったのは十数年前とだいぶ昔で、現在のような天燈ランタン上げは行われていませんでした。(その頃の旅の目的は、平渓線と廃坑のトロッコだった。)
関連記事:『天燈上げ(ランタン)体験で有名な台湾「十分」の今・昔を写真で比べてみた』
2013年と2017年冬に「十分」を訪れたときは、子連れだったので喜ぶかなーと、天燈ランタン上げ体験をしました。
すっかり天燈ランタン上げの観光地となった「十分」。
観光客で賑わう「十分」で、2度天燈ランタン上げ体験をしてみて感じた「十分のシュールな魅力」についてまとめます。
台湾「十分」はシュールが魅力♡
平日でも観光客がたくさん!!
平渓線は1時間に1本しかないような、ローカル路線。
平渓線で「十分駅」に行くまでがけっこう大変です。
車内は、日本の通勤ラッシュ並の混雑です。
例えるなら、あじさいの時期の江ノ電のようです。すごく上手い例えだ。
立ちっぱなしは当たり前。吊革握れればラッキー。ローカル線の情緒の欠片もありません 笑。
子連れはグズること間違いなし。
混んでいるのが大嫌いのエイチは、「二度とこんな電車乗るもんか!!」とお怒りでらっしゃいました 笑。
十分駅では、観光客の乗り降りで、かなりの時間停車します。
図々しく無理に乗り込まないと、乗れません。
電車が到着すると、十分駅は、ただの小さな田舎駅ですから、ホームは人で溢れ、駅から出る人で埋め尽くされます!なかなか進みません!
なんか…シュールじゃないですか…?
ノスタルジックな田舎の駅に、この人混み 笑。
14時前後が一番混むようです。
駅からお土産屋さんが並ぶ通りを進んでいくと、線路上で、天燈ランタン上げ体験をする観光客とお店の人でごった返すエリアに出ます。
足元が線路であることを忘れるくらいの人の多さ!
ひとたび、ホイッスルのような音がすると、みんな大慌てで線路の外へ。
平渓線が、目の前すれすれを通って行きます。圧巻!
平渓線が通過したら、また何事もなかったかのように、観光客もお店の人も、ランタン、ランタン、と忙しそう。
観光客の半分以上は韓国人。2割くらいが日本人。
日本人は台湾に来たら必ず「九份」に行くけど、韓国人は必ず「十分」に行くんですって。
おもしろいですね。
十分駅を出たすぐの所に、鶏の手羽先にチャーハンを詰めて焼いた「溜哥炭烤雞翅包飯」という行列のできる屋台あり。
団体観光客が買い終わると、全く並ばずに買うことが出来るので、
時間のある方は焦らずに時を待とう。
65元。高い。ふつうに美味しいけど、小さい。
観光地価格&観光地クォリティ。
天燈ランタン上げとインスタのシュールな関係
ランタン上げエリアでは、インスタ映えを狙う人多数。
何組か、わざわざ花の冠をかぶって、ランタンを上げ、撮影している人たちがいた。流行っているのかな。
うん、確かに、切り取られた写真だけ見ればすてきね。
でも、この客引きも多く雑多な、電車好きなら反応するであろう電車の残り香漂う線路の上で、ネイチャーな花冠はシュールだわ~。。
そして、ランタンに書かれた願い事は「お金持ちになれますように♡」とかだったら楽しんですが。
ある意味冷静だよね。
見られるという意識のもと、小道具持参、自分参加で画を作るという…。
旅先で、まるで自作自演の映画監督のような才能を求められるわけだ。
関心関心。あ、間違えた、感心感心。
侮るな!天燈上げ屋のおばちゃんは、スマホ撮影に精通
「イチ!ニイ!サン!ハナスウ!?」
ランタン上げ屋のおばちゃんのせっかくの日本語の掛け声に
「え?今なんて言った?あ、ランタンを離すのね!」と、3テンポくらい遅く反応し、
ランタンから慌てて手を離すと、ふわっとランタンが空へと上がっていきます!
ドキドキと感動の瞬間です!!
ランタン上げ屋のおばちゃんは、そんな私たち観光客の感動の瞬間を、渡したスマホで(お願いしなくても)ばっちり記録してくれます。
ランタン屋のお店の人にスマホを渡し、ランタン4面全ての願い事の撮影会を行うのは、十分観光客の義務とも言えますが、その後も、お店のおばちゃんたちは、スマホ撮影を続けてくれているんです。
ランタン屋のおばちゃんのスマホ撮影テクは最強です。
自作自演小道具持参のSNS映え派のみなさんも、安心しておばちゃんにスマホを渡してください。
そんなあなたの心強いカメラマンになってくれるはずです!
私のスマホですが、「そんな機能知らなかった!」というスマホテクを駆使し、旅の思い出を記録しておいてくれました 笑。
返してもらったスマホの画像をチェックして、驚きました。
どうやったら一台のスマホで、動画と写真同時に撮れるの!?そんな機能あるの??
ポーズして撮ったランタン4面の願い事の写真だけでなく、ランタンが舞い上がる時の連写の写真もあるし、動画まであるんだよ?あのおばちゃん、すごいわー。
たぶんね、仲間同士で撮るより、お店の人に撮影お願いしたほうが上手いと思うよ。(仲間撮影で失敗経験あり。)
十分のランタン屋さんは、どこでランタン上げをお願いしても、サービス、値段は同じです。
もしかしたら、見えない部分である「スマホ撮影技術」を磨いて、他の店と差をつけようと、切磋琢磨しているのかもしれません。
天燈ランタンの行方
天高く上っていけば、ランタンに書いた願い事は叶うという。
天高く上がったランタンも、いつかは落ちる。…比較的近くに落ちることもある。
下車直後の人混みが嫌で、平渓線を降りてから、しばらく駅のホームでのんびりしていたのですが、
子どもたちは、空に上がっていくたくさんのランタンを見ながら、
落ちそうなものを「あのランタン、やばい、やばい!」と言いながら行方を案じるという遊びをずっとしておりました 笑。
そして、ついに近くの民家の庭先に、ランタンが落ちた!
うおー!ついに落ちたぞー!!
色めくうちのお子様ふたり。
…ホームで30分もランタンの行方を追っていれば、落ちる瞬間を比較的近くで目撃できることがわかりました。
民家から、ガラッと窓を開け、人が出てきた。
いつものことですが、なにか?という感じで、ランタンを普通に拾い上げ、家に持って入っていきました。。
あの…ほんといつもすみません…。「十分」の日常を見た気がしました…。。
見ていてわかったのは、落ちてしまうランタンは、火が消えてしまっているということ。
だから、燃えながら落ちてくるわけじゃないことがわかって、少し安心した。火事にならないのか心配だったから~。
十分観光、シュールのとどめ。燃えながら暴れ落ちたランタン
3度目の「十分」で、貴重なものを目撃しました。
燃えながら落下することはないはずのランタンですが、
上げようとしたら傾いてしまったのか、お店の人のミスか、燃えながら暴れ回るランタンを見た 焦。
慌てふためく周囲の観光客とお店の人たち。
燃えるランタンは風が吹くと火が付いたまま舞い上がるから、みんな、危ない!危ない!と大声で注意を掛け合う…。
(不謹慎にも、こんなチャンス二度とない!と咄嗟にカメラを向けてしまったわたし。。)
ライオンの火の輪くぐりのような姿になったランタンを持つお店の人。←いたって普通。
なにこれ。シュールすぎるだろ。
ね! 天燈ランタンは、最終的には燃えカスと灰になるんです。
←よくわかる写真です。
周りに散っている黒いカスが、灰になったランタンです。
これが、ラプンツェルもびっくり!ランタンの終焉です。
貴重なものを見せていただきました…。勉強になりました。
ランタンの主、男女三人組の観光客は、
自分たちの願い事を書いたランタンが、ライオンの火の輪くぐり状態から、燃えカスになっていくのを遠巻きに見ながら、特にお店の人からのフォローもなく、さびしくその場を離れていったのでした…。
この場合の願い事は、どうなるのかについて、明確な情報はありません。
ただ、私個人的には、ランタンの最後の姿を拝めることができ、大変光栄であったことは間違いありません。どうか、三人のランタン主様、気を落とさずに。
それにしても、あの三人の観光客は、あの後どんな言葉を交わしたのだろうか…。そして三人はそもそもどんな関係なのだろうか?
平渓線ではなく、車で「十分」に向かうと、途中の山道で、いくつものランタンが、木に引っかかっているのを目撃することが出来ます。
日本語の願い事が書いてあるランタンは見たことないけど、切ないよー。。
空中で燃え尽きることのできなかったランタンは、落下し、山の中で願いを晒しながら無残な姿になっていくのだろう。
私たちの上げたランタンも、どこかに落ちているのだろうか。山の木に引っかかっているのだろうか。。
空中で、ライオンの火の輪くぐりになってくれることを祈るばかりです。
そのうち、十分のランタン上げは規制されるだろうな、とこっそり思うのでした。
(で、規制される前にランタン上げておこうと、今回十分行きを計画したわたしは、したたかな観光客である…。)
※2018年1月現在、規制される予定はありません。私の勝手な予想です。。
「十分」で起きる出来事は、なんだって面白い
十分駅のトイレは、数が少なく常に並んでいます。
和式便所だからか、嫌がって泣きわめく小さな男の子と怒鳴るおばあちゃんが、個室にやっと入ったものの、全く出てこなくて大変でした 笑。
あと、十分駅の切符売り場のお兄さんは、とっても優しかったです。
私、帰りの電車の指定席を取ったりで、時間がかかっていたんですね。
しかも外国人だし、後ろに並んだおじさん、待てなかったんでしょうね~。
私の番なのに、無理やり切符を買おうと、おやじが何度も100元札を窓口に押し込んでくる。
その度に切符売り場のお兄さんは、びしっと注意しながら手の甲で100元札を押し返す。しっしって。
でも、私には打って変わってにっこり優しく接客してくれる 笑。これを何度か繰り返した。
切符を買い終えた私を笑顔で見送ると、彼は豹変。
後ろのオヤジとマイクを通して、怒鳴り合いを始めた 笑。周囲は騒然。なんかお兄さんに悪かった~。
十分駅、熱いぜ!
台湾・十分は、シュールで楽しい観光地である。
改めて、十分観光をしてみて、そう思いました!わたし、十分好き!
おもしろい!おもしろい観光地じゃあないですか、十分。
なに見ても、なにが起こっても面白おかしく見えてしまう。そんな愉快な場所、なかなかないよ。
ランタンを上げるという幻想的・非現実的な空間を求められている観光地なんですけど、
「超現実」が各所に散りばめられていて、発見する度に、そのギャップが面白いんだと思う。
今度はもっとゆっくり、十分大瀑布まで散策したり、飽きるまでランタンの行方を追いかけたりしたいなと思いました!
みなさんもぜひ、シュールな「十分」を楽しんでみてくださいね。
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